帝王切開だと母乳が出ない?実際はどうだった?

授乳

帝王切開での出産にまつわる心配事として「帝王切開で出産した場合、母乳が出ない」というものがあるようですが、それは本当なのでしょうか。完全母乳育児(以下完母育児)したいと考えているママにとっては驚くとともに、不安になる内容です。

そこで実際に緊急帝王切開で出産した私がどうだったか、体験を元に紹介します。

帝王切開だと母乳が出ないの?

帝王切開で母乳が出るか出ないかと聞かれたら、私は帝王切開での出産でも母乳は出ると答えます。実際私自身が帝王切開で出産しましたが、完母育児ができたからです。

そもそも乳汁を噴出させる女性ホルモンである「オキシトシン」は、胎盤が体外へ排出することで分泌が始まります。

そのため普通分娩でも帝王切開でも、出産すれば誰でも母乳を出すためのホルモンは分泌されるため、出産方法だけで不利になるとは考えにくいでしょう。

実際、入院中も私と同じように帝王切開で出産されたママがいらっしゃいましたが、普通分娩のママに比べて目立って母乳が出ないという印象はありませんでした。

したがって「帝王切開=母乳が出ない」というのは少し極端な意見だと感じます。出産方法問わず、すぐ出る人もいれば、なかなかでない人もいるというのが本当のところだと思います。

帝王切開だと母乳が出ないといわれるのはなぜ?

それではなぜ「帝王切開だと母乳が出ない」といわれるのでしょうか。単純にその理由は主に以下の理由があります。

初乳を与えるのが遅れる

日本助産師会の「母乳育児成功のための10カ条」の第4条では、産後30分〜1時間以内に授乳開始できるようにママを援助することが推奨されています。

第4条 産後30分以内に母乳育児が開始できるよう、母親を援助しましょう。

出典元:「赤ちゃんとお母さんにやさしい 母乳育児支援」公益社団法人 日本助産師会 より

これは出産後なるべく早く初乳を与えたほうが、その後の母乳分泌を促進する効果が高いと考えられているからです。

しかし帝王切開での出産直後は、傷の痛みで授乳どころではありません。私も手術当日は生まれた我が子を確認し、その後は痛み止めの点滴を打ちながら傷の痛みに耐えるので精一杯、結局初めての授乳は手術の翌日でした。

この時間差が、普通分娩のママに比べ母乳の分泌が遅れる理由になっている可能性があります。

傷の回復が優先になってしまう

出産は病気ではないとはいえ、帝王切開は立派な手術です。身体への負担は大きく、人によっては数日は動けないということもありえます。

私も翌日から授乳を開始したものの、手術の翌日はベッドから起き上がるだけでも一苦労でした。(しかし、それでも助産師さんからは「よく動けているほうだ」といわれました。)

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腰の曲がったおばあちゃんみたいな

体勢で歩くのが精一杯でした・・・

(遠い目)

傷の痛みは薬で落ち着いていても、お腹を切ると腹筋が使えず、驚くほどお腹に力を入れることができません。

そのため一度ベッドに横になると起き上がるのもままならないので、入院して数日は夜間の母子同室はできませんでした。なぜなら仮に赤ちゃんが泣いていても身体が自由にならず、即時に反応できないからです。

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出産後数日は「赤ちゃんごめん」と

思いながら夜を過ごしました

母乳を出すためには昼夜問わず授乳の回数をできるだけ増やし、母乳を噴出させるホルモンを刺激することが大切です。

しかし帝王切開だと思うように授乳回数が増やせないこともありますし、ママの体調によっては「授乳よりもまずは身体の回復を優先すべき」という判断がなされることもないとはいえません。

以上のことから「帝王切開だから母乳が出ない」のではなく「帝王切開だと授乳開始のタイミングが遅れる」ことにより「普通分娩のママより母乳が出始める時期が遅くなりがち」という結果になっていると考えられます。

それが帝王切開=母乳が出ないというイメージとして、認識されてしまっているのでしょう。

帝王切開でも早く母乳を出すためには?

母乳育児をしたいのに思うように母乳が出ないと、本当に落ち込みます。特に入院中は無意識に他のママと比較してしまうので、余計に気になり不安が加速してしまうことも。そんな不安を上手に乗り切るために、私が実践したことを紹介します。

とにかく授乳回数を増やす

帝王切開の場合は授乳開始のスタートが遅れているため、授乳ができるようになったらこまめに授乳するように心がけましょう。

母乳を出すホルモンは赤ちゃんがおっぱいを吸うことで刺激、分泌される仕組みなので、単純に授乳回数を増やすだけで母乳を出しやすくする効果が期待できます。

私も傷の痛みのピークが過ぎた産後4日目くらいからは、夜間授乳も含めて1日6回ほど授乳するようにしていました。

「人より時間がかかる」と割り切る

母乳が思うように出ないと焦ってしまいがちですが、ここで「なんで出ないんだろう」などと自分を責めたり追い込んだりするのは逆効果です。

なぜなら私の母乳が安定して出るようになった後でも、疲れやストレスが溜まっているときは母乳の分泌が鈍くなるのか胸が張らないことが多かったからです。

もし今帝王切開で出産し、母乳が思うように出なくて悩んでいるママがいたら「自分は帝王切開で出産しているから、普通分娩の人より母乳が出るまで時間がかかって当然」と開き直ってみましょう。

なかなか難しいかもしれませんが「すぐに出なくたって大丈夫」と思うことで、少しは気持ちが楽になる効果が期待できます。どうしても不安が拭えないときは助産師さんに相談するのもおすすめです。

それでも不安なときは一度立ち止まろう

冷静に考えてみてください。

そもそも普通分娩の人より授乳開始のスタートが遅いんです(しかも周回遅れぐらいのペースで)

だから簡単に追いつかなくて当たり前です。

むしろ追いつかなくても普通。ということは、決して遅くないということです。

だから、普通分娩の人と比較して、無理に追いつく必要もありません。

「自分には自分のペースがある」と気づくのが大切です。

最初から完全母乳育児にこだわらない

母乳が出なくて特に焦ってしまうのは、完母育児を希望しているママでしょう。私も出産前から完母育児にこだわっていたほうだったので、出産後母乳が思うように出なくて焦りました。

しかし母乳が出ない現実に直面し、一度完母育児を諦め「ゆくゆくは完母育児にする」と育児方針を切り替えることに。

実際ミルクを使ってみると、授乳に疲れたときにミルクにすることで休憩できます。哺乳瓶なら授乳を他人に代わってもらうこともでき、その間にママが睡眠をとることも可能です。

産後はとにかく授乳で睡眠不足になりがちなので、ミルクにはかなり救われました。母乳が出ないのに完母育児にこだわっていると、疲弊するだけと気づくきっかけにもなったのもミルクのおかげです。

ミルクで時々休みを取りつつも、ひたすら出ているのかどうかわからないおっぱいを吸わせた続けた結果、2ヶ月を過ぎるとだんだん母乳だけで間に合うようになっていきました。

振り返ればミルクとの混合育児をしていた期間は産後1ヶ月のみ。母乳にこだわり続けるより上手にミルクを使うことで、より早く完母育児に切り替えることができたのではと感じています。

必要以上に心配しなくても大丈夫

帝王切開での出産だと、普通分娩での出産に比べて、授乳開始のスタートが遅れる要因があるのは事実です。しかし、スタートが遅れたからといって母乳が出ないわけではないので安心してください。

本来母乳が出ない原因はさまざまで、出産方法だけで左右されるような単純なものではありません。必要以上に心配や不安になりすぎないようにしましょう。

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